世界一美しい帆船、アメリゴ・ヴェスプッチを見てきた!

イタリア海軍の練習艦である帆船、アメリゴ・ヴェスプッチ号は現在世界28各国を周遊中で、日本ではお台場の東京国際クルーズターミナルに寄港しています。ギリギリ予約が間に合い乗船体験できたので写真とその他調べてみたことを紹介します。

どんな艦?

アメリゴ・ヴェスプッチ号はイタリア海軍の練習帆船です。日本で言うところの日本丸や海王丸にあたります。1931年進水ということで艦歴は100年に迫っており、初代日本丸と同年代の船です。とはいえ日本丸が2代目となっている(1代目は横浜で係留展示)のに対してこちらはバリバリの現役で、今回も世界一周中です。
ちなみに、純粋な帆船ではなく機帆船であるためエンジンを備えています。
全長82m、メインマストは高さ54m、3本マストがカッコいいです。

艦名

船尾に艦名が優美に書かれている 70mm F8.0 1/320 ISO100

艦名の「アメリゴ・ヴェスプッチ」はアメリカ大陸の由来となった大航海時代の探検家、アメリゴ・ヴェスプッチの名前を元にしています。イタリアのフィレンツェ出身ということで、イタリア艦の名前になっているのでしょう。

いざ乗船 写真多数

平日にも関わらずかなりの人がきていた

日本に寄港する5日間は全て平日にも関わらず、かなりの人が見に来ていました。30分ほど並んでタラップにたどり着きました。

タラップの時点でおしゃれ!

アンティーク家具を思わせる木製のタラップを登って甲板へ。
とにかくどこもかしこもおしゃれ!木製部分が非常に多く、全てに艶のある光沢がありました。海や空が写っていなければホテルと勘違いしそうです。

操舵室では舵輪を見ることができました。アメリゴ・ヴェスプッチ号は珍しい4重舵輪となっています(日本丸は2重)。現代の船は舵輪が船前方にあるイメージですが、人力で船尾にある舵を動かしたり、帆の状態を見ながら操船する帆船のため船後方にあるようです。
人力では力仕事になるため手分けして回せるよう直径の大きな複数の舵輪があるそう。以下の記事によると、訓練時は計8人で操作するそうです。

船首にはアメリゴ・ヴェスプッチの像

その他にも見どころばかりで、「ヴェスプッチ」と入った鐘(時鐘?)にはイタリア国旗カラーのロープが結ばれていておしゃれですし。メインマストの高さと四方に伸びるロープは帆船ならではですね。
また、帆船の船首といえば女性をかたどった像があることが多いと思いますが、本船は名前の由来通りアメリゴ・ヴェスプッチの像が設えられていました。

まとめ

JAGOによるブロンズ像「ダビデ」 47mm F4.0 1/400 ISO100

ということで、アメリゴ・ヴェスプッチ号を撮ってきたよという話でした。
「世界一美しい帆船」と言われるだけあり、船体から各種設備に至るまで非常に美しい船でした。惜しむらくは台風が近づいていることもあり、展帆している状態を見ることができなかったことです。やはり帆船が一番美しいのは展帆時だと思うのでそちらも見てみたいですね。

気になって調べたこと

兵士の小銃

乗船体験中、お一人だけ小銃を携帯している軍人がいました。
写真は撮れなかったし、ちらっとしか見れなかったので定かではないがベレッタ社のAR70/90という小銃だろうか?

儀仗用?カルカノM1891

小銃とランタンとラッパ 36mm F4.0 1/400 ISO3200

甲板の一箇所に木製銃床が美しい小銃が展示されていた。カルカノM1891と思われるがイタリア王国時代の小銃であり実用しているとは思えないので、展示用か儀仗用だろうか?少なくとも甲板に置かれていたのは展示のためだと思う。

モットー

船中央前方よりに掲げられたパネル

およそ中央部分に画像のような文言が掲げられていました。当然イタリア語で読めませんが、調べてみるとレオナルド・ダ・ヴィンチの格言だそうです。意味は「始めることよりも、続けることが大切だ」という感じでしょうか?アメリゴ・ヴェスプッチ号のモットーにもなっているそうで、日本語の記事は見つけられませんでしたが、以下のような記事がありました。

イタリア海軍旗

ミズンマストにはイタリア海軍旗が掲げられていました(見切れていますが左上に日章旗)。上に王冠があり、下の4つはそれぞれ中世地球会の海洋共和国の国旗だそうです。

日本丸

冒頭で紹介したように、日本では「日本丸」という練習艦があります。
こちらは海上自衛隊ではなく海技教育機構が保有しており、純白の船体から「太平洋の白鳥」と呼ばれているらしく、現在は横浜市のみなとみらいに展示係留されています。普段は縮帆しているが、総展帆するイベントが年間を通じて度々行われているよう。見に行かねば。

また、日本丸2世は世界でも有数の高速帆船らしく、その年で最速の帆船に贈られる「ボストン・ティーポットトロフィー」(124時間で最も長い距離を航行した帆走練習船に贈られる)を3度受賞しているそう。
日本記事がぱっと見つからなかったので英語wikiを参照↓。

現代に合わせた装備

100年近く前の帆船といえど装備面は現代に合わせていると思われる部分もいくつかありました。主に電気周りで、電源の拡張やLED?と思われるエンジンランプなど。また船内は非公開でしたが、甲板数カ所に排気口がありどうやら空調設備が用意されているようです。そりゃそうでもないと世界一周なんてやってられないですよね。