1月の被写体というと、行事ごとを除くと雪景色であったりイルミネーションや星空であったり何かと寒さにさらされることが多いです。寒い中カメラを構えるのは辛いけど写真は撮りたい!というワガママな方にオススメしたいのがロウバイという木花です。今回紹介するのは名所である神奈川県松田町の「寄(ヤドリキ)ロウバイ園」です。撮影地が神奈川県ということもあり1月でもそこまで寒くなることはありませんし、最寄り駅から路線バスで30分程度の場所にあるため気軽に行くことができます。
本記事では2024年に行った経験を踏まえ、寄ロウバイ園について紹介していきます。
※1月の被写体としていますが、例年の見頃は1月中旬~2月中旬のようです。
・2万本というかなりの数が植えられているため、広角から望遠、マクロまで様々な画角で撮影ができる。
・園内は勾配があり舗装されていないため歩きやすい靴で。
・駐車場や路線バスがあるためアクセスしやすい。ただし、バスの時間は下調べ必須。
・花の近くまで寄れるので、荷物を抑えるなら標準ズームレンズ1本あればほとんどの構図に対応できます。
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今回紹介する寄ロウバイ園は、神奈川県西部の山間に位置する県足柄上郡松田町にあります。13000㎡の面積に3000株2万本以上のロウバイが植えられており、ロウバイ園としては日本最大級だそうです。確かに「ロウバイ 名所」で検索してみると1000株以上の場所はかなり限られます。本数が多い=広角での撮影に向いた場所と言えるでしょう。
場所は地図↓の通りです。小田原市の北側20kmほどの場所です。近くに駐車場もあるようです。
なお、ロウバイまつり期間中は有料(500円:2024年時)になります。
そもそもロウバイとはどういった木花かご存知でしょうか?私は行こうと思うまで知りませんでした。
ロウバイは蝋梅ともいい、蝋のようなツヤのある黄色い花をつける植物です。香りも強く、私には蜜蝋のような甘い匂いに感じました。花は枝に直接ついており、桜と同じく花と葉が同時に存在しない木です。
画像からでは香りを感じることはできませんから、是非現地で感じてもらいたいです。好みによりますがリラックスできる香りだと思います。
開花時期は1-2月で、寄ロウバイ園では2024年時では例年より少し早い1月中旬~2月中旬の期間で開花しているようです。
アクセスは電車+バスor車となりますが、どちらを選ぶかの決めては「平日or土日、どちらに行くか」になるでしょう。
というのも、曜日によって路線バスの本数が大きく異なるためです。
下記は2024年時点のバス時刻表です。どちらも新松田駅(最寄り駅)←→寄(現地最寄りバス停)間です。
上の画像左側が平日の時刻表になりますが、ご覧の通り感覚が時間帯によってかなり異なり1時間以上間が空く時間帯もあります。
一方で次の画像は上の土休日+ロウバイまつり期間の増便を示しています。
こちらでは赤字の増便が加わり発車間隔が空いていた時間帯が埋められています。
このように平日と土日でかなりアクセスのしやすさが異なるため、いつ行くのかが交通手段の判断材料になるでしょう。
私の場合は車が無いこともあり、平日ですが電車+バスで向かいました。
新松田駅からバスで30分ほどでバス停「寄」につき、そこから徒歩10分弱でロウバイ園に着きます。この10分間の道のりは勾配がある狭い道を進むため、脚の不自由な方は送迎車(普通車・無料)を利用されるとよいでしょう。車で向かう方も駐車場はバス停付近にしか無いため、バス停からは歩くことになります。
ちなみに、新松田駅から寄バス停まではおよそ10km程度でしかも山道になるため徒歩での移動は諦めた方が良さそうです。ロードバイクで来られている方はいらっしゃいましたけど。
実際に撮ってきたのはこんな写真です。
広い敷地に密集して植えられているため、広角から望遠まで幅広い画角での撮影が楽しめます。そのため標準~望遠とレンズを一通り持っていきたいところですが、ロウバイ自体は背が低く(3m程度)樹木に触れられる距離に近づけるため、花を大きく撮りたい場合でも標準レンズで対応できます。
山間にロウバイが密集して植えられていますが谷になっていることもなく、日が遮られることはありません。
写っている範囲は主な植樹エリアの半分程ですが、広角のためかなり奥行き感が伝わるかと思います。
寄ロウバイ園は地元の寄中学校の卒業生による記念植樹が始まりとのことで、そのためか園内の所々に学校の椅子が置かれていました。木材の色合いがロウバイや枯れた下草の色味とマッチしてフォトジェニックでした。
手すりとベンチを入れて望遠で撮ってみました。
手前から奥に道が続いている感じがいいですよね。坂を見下ろすように地面すれすれからロウバイと手すりが入るように撮りました。
ちなみにやたら早いシャッタースピードなのは直前に鳥を撮ろうとして設定を戻し忘れているからです汗
枝がかなり密集していたので、思いっきり前ボケを入れて撮ってみました。
柔らかい印象にしたかったので明るめで。春!って感じがしていいんじゃないでしょうか?枝の表面もシンプルで邪魔しないですね。
写真を撮っていて気づいたのですが、どのロウバイにも花の付近に黒っぽい楕円形のなにかがくっついていました。最初は虫の卵か?とも思いましたがそれにしては大きいしあきらかに数が多い。。
調べてみるとこれは実であり中に種が入っているようです。
たまたま落ちて割れていた実があったので見てみると確かに中に種が入っていました。大豆くらいの大きさですかね。
ちなみに、冒頭で述べた通りここには「3000株2万本」のロウバイがあるとのことなのですが、株=本にならないのが不思議でした。どうやらロウバイは根本から分かれて幹が伸びる”株立ち“という生態をしているようです。1株から7本くらい幹が伸びているようですね。ロウバイを見にいく際には是非足元も観察してみてください。
ロウバイ園内はほぼ全面舗装されていません。足元は普通の地面か木質ペレットが敷いてある場所も一部ありました。順路も明確に決まっているわけではなさそうで、植樹の間を歩くことになります。そのため歩きやすい靴で注意して散策することをオススメします。
また3m程度のロウバイも多く、頭上や顔付近に枝が来ることがあります。散策やロウバイに夢中になりすぎて枝に引っ掛けられることがないように注意が必要です。
敷地としては13000㎡とそこまで広いわけではありませんが、通路以外に隙間なく、その通路も所々あってないようなものなので、想像以上の密度に圧倒されます。そのおかげで様々な構図での撮影が楽しめますし、園内すべてが見所なため場所を選べばかなりゆっくり撮影に集中できる点もオススメです。
可愛らしい黄色い花と甘い香りが冬の終わりを感じさせてくれるロウバイ園に是非行ってみてください。